増設SSDにUbuntuをインストールして、Windowsとのデュアルブートを実現する方法をご紹介します。
【安全にデュアルブート】増設SSDにUbuntuをインストール
先日、プログラミング用にデスクトップPCを購入しました。
▶機械学習用にゲーミングPCを購入した(選び方、購入理由を紹介)
既にWindowsがインストールされていましたが、プログラミング開発を行うためにUbuntuも使いたくなりました。
そこで、いろいろ調べてみると、SSDを増設して、そこにUbuntuをインストールすると、比較的安全にデュアルブートを実現できることが分かりました。実際にその方法でやってみると、見事にWindowsとUbuntuを切り替えられるようになりました。
この記事にその過程を記録します。
デュアルブート以外でLinuxを利用する方法
デュアルブートの手順を説明する前に、デュアルブート以外でLinuxを使う方法をご紹介しておきます。
例えば、以下の2つが有名です。特に、WSL2は、Windows上で”本物のLinux”を動かせるため、注目を集めています。
デュアルブートは、なんだかんだリスク(e.g. 手順を誤るとWindowsが消えてしまう)があります。そのため、まずはこれらの方法を検討してみると良いかもしれません。
- VirtualBox
- Windows上にLinuxの仮想環境をつくることができる
- PCのリソース(e.g. メモリ)をフルに使えない
- WSL2(Windows Subsystem for Linux 2)
- Windows上で完全なLinuxカーネルを動かすことができる
- GPUも利用できる(ref. [Enable NVIDIA CUDA on WSL])
- Dockerも利用できる(ref. [WSL2の要注意ポイント])
- Docker Desktop for Windows(ref. [WSL2でのDockerリモートコンテナーの概要])
- LinuxネイティブDocker
上記をふまえてもなお私がデュアルブートを選択した理由は、Windows特有の問題にハマるのが怖かったからです。特に、GUI関係(i.e. Linux内の出力をWindowsのディスプレイに出力すること)などがややこしそうだと予想しています(実際に試したわけではありません)。
デュアルブートをなるべく安全に行うためには?
デュアルブートとは、1台のPCに2つのOSをインストールして、起動時にどちらかを選択できるようにすることです。
具体的には、OSはSSD/HDDにインストールされ、マザーボードが、どちらをブート(=起動)するか決定するというイメージです。
2つのOSを1つのSSD(またはHDD)にインストールすることも可能です。しかし、その場合、2つのOSが干渉して、どちらかが起動しなくなるということが起こりかねないです。特に、Microsoftはデュアルブートを推奨していないため、Windowsアップデートによってシステムが壊れることはよくあるそうです。
そこで私は、SSDを増設して、そこにUbuntuをインストールすることにしました。この方法では、物理的にOSを分離できるため、それらが干渉する可能性を限りなく小さくすることができます。
それでは、以下でその手順をご紹介していきます。
今回の実行環境
今回、私がデュアルブートをつくった環境は以下のとおりです。
- マザーボード:ASRock B450M Pro4
- UEFI形式
- UEFI BIOS version:B450M Pro4 P5.30
- 元のSSD:Team MP33 TM8FP6512G0C101
- Windows10Homeがインストール済み
- 増設SSD:Crucial MX500 CT1000MX500SSD1
- 今回Ubuntu20.04LTSをインストールする
デュアルブートは、マザーボードの形式によって手順が異なることがあります。UEFIとは、BIOS(=レガシBIOS)の後継です。ご自身のPCがどちらかチェックしてからインストールを進めましょう。
デュアルブートの手順
手順1:必要な物の用意
まずは以下の3点を用意する必要があります。
- デスクトップPC
- 増設用SSD(+SATAケーブル)
- 4GB以上のUSBメモリ(中のデータは全て消えます)
SSDの選び方の注意点
SSDには、NVMe接続の製品と、SATA接続の製品があります。SATA用のスロットにNVMeを挿しても認識してくれません。お持ちのマザーボードのSSDスロットが、どちらに対応しているかよく確認してから購入しましょう。
また、端子の形も2種類あります。M.2型と2.5インチ型です。2.5インチ型の場合は、SATAケーブルが必要になります。M.2型の場合は、固定用のネジ(e.g. M2x2mm)が必要になります。
- NVMe接続/M.2型の例:Crucial P2 CT1000P2SSD8JP
- SATA接続/2.5インチ型の例:Crucial MX500 CT1000MX500SSD1
手順2:ライブUSBの作成
- Windowsまたは別のPCを起動する
- Ubuntu公式サイトからイメージファイル(.iso)をダウンロードする
- Rufusをダウンロードする
- Rufusを起動する
- USBをPCに挿入する
- USBを選択する
- ISOを選択する
- 書き込みスタートする(USB内のデータは消えます)
- 書き込み完了まで待機する(約20分間)
手順3:SSD取外し&増設
- PCをシャットダウンして主電源をオフにする
- コード類(e.g. 電源ケーブル、ディスプレイケーブル)を抜く
- Windowsが入っているSSDを取り外す(わぜわざSSDを取り外す理由は後述する)
- 空のSSDを別のスロットに増設する
手順4:Ubuntuインストール
- ライブUSBをPCに挿す
- PCを起動する
- ライブUSBのUbuntuを起動する
- 設定を選択/入力してインストールする
- インストール完了まで待機する(約3分間)
- 再起動する
- ライブUSBを抜いて「Enter」を入力する
手順5:SSD挿し直し
- PCをシャットダウンして主電源をオフにする
- コード類(e.g. 電源ケーブル、ディスプレイケーブル)を抜く
- Windowsが入っているSSDを挿し直す
手順6:OSのブート優先順位を設定
- UEFIを起動する(ASRockのマザーボードの場合は起動中にF2を入力する)
- デフォルトで起動したいOSを#1として選択する(私の場合はUbuntuを選択する)
- 設定を保存して再起動する
手順7:動作確認
- PCを起動したらUbuntuが起動することを確認する
- 再起動してUEFIのOS選択画面に入る(ASRockのマザーボードの場合は起動中にF11を入力する)
- Windowsを選択する
- Windowsも問題なく起動できることを確認する
Ubuntuのセットアップ
- Ubuntuを初回起動する
- 指示どおりに進めていく(基本的にSkipでOK)
- 日本語入力を有効にする(ref. [【Ubuntu】日本語入力を有効にする(Mozc)])
注意点のおさらい
安全にデュアルブートを行うためのポイントは、Ubuntuをインストールするときに、Windowsが入っているSSDを物理的に取り外すことです。
これをしないと、Ubuntuのインストール先を、増設した空のSSDに指定しても、ブートローダーがWindowsのSSDにインストールされてしまうようです。どうやら、これは、Ubuntuインストーラーの仕様(またはバグ?)らしいです(ref. [Windows 10自作PCの別ドライブに、Ubuntu LinuxをUEFIインストールしてデュアルブート化。])。つまり、WindowsとUbuntuが干渉しないように完全に分離できなくなってしまいます。
さいごに
なるべく安全にWindowsとUbuntuをデュアルブートする方法をご紹介しました。SSDを増設して、そこにUbuntuをインストールすることで、WindowsとUbuntuが干渉しないようにしました。
参考になれば幸いです。
以上です。
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