物理量の単位の重要性をご紹介します。
SI単位系
日本では、一般的にSI単位系が用いられます。
国際単位系 (SI) は、メートル条約に基づきメートル法のなかで広く使用されていたMKS単位系(長さの単位にメートル m、質量の単位にキログラム kg、時間の単位に秒 s を用い、この 3 つの単位の組み合わせでいろいろな量の単位を表現していたもの)を拡張したもの Wikipediaより
例題その1
まずは、例題を見ていきましょう。
Q. 縦3m、横4mの長方形の面積を求めなさい。
A. \(3 \times 4 = 12\mathrm{m}^2\)・・・(1)←式が成り立ってない!
このような式を答案用紙に書いていませんか?
実はこれ、厳密には式が正しくありません。式(1)では左辺と右辺が等しくないのです。左辺は無次元数(ただの数値)、右辺は面積(平方メートル)を表してしまっています。
正しくは…
A. \(3 \mathrm{m} \times 4 \mathrm{m} = 12 \mathrm{m}^2\)・・・(2)
「そんなのどうでもよくない?」という声が聞こえてきそうですし、私も最初はそのように感じていました。しかし、複雑な物理式を解くうちに、その重要性を知りました。
例題その2
再び例題です。
Q. ある物体を地面より50cmの高さから、初速度0m/sで自由落下させたとき、地面に衝突するのは落下開始から何秒後か求めなさい。(空気抵抗無視)
A. 力学的エネルギー保存の法則より、
\(mgh_0 = \frac{1}{2}mv_t^2 = \frac{1}{2}m(gt)^2\)
\(\Leftrightarrow t=\sqrt{\frac{2h_0}{g}} = \sqrt{\frac{2 \times 50\mathrm{cm} \times \mathrm{10^{-1}m/cm}}{9.81\mathrm{m/s^2}}} = 1.01\mathrm{s}\)・・・(3)
このように単位を意識して計算すると、式(3)のように単位も”約分”ができます。
単位を意識することのメリット
- 単位の”約分”により、次元の違う物理量を計算していないか確認(検算)することができる。
- mとcm等の変換(\(\times10^2\)など)をし忘れなくなる。
- 各物理量(単位)がどのような構造であるかを意識することにより、その物理量が何を表すものなのか理解しやすくなる。
(例)\(F=ma\) → [\(N\)] → [\(kg \cdot m / s^2 \)] - 破綻のない数式を書ける
さいごに
ぜひ意識して、定着させてみてください。
以上です。
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