経緯

先日、国内雑誌と海外講演会へそれぞれ1本ずつ論文を投稿し、両方とも査読結果が届きました。この2本の論文は、投稿時期がほぼ同じだったので、似たような内容になっています。つまり、似たような論文を国内と海外の両方に投稿してみたのです。

  • 国内雑誌(journal)、日本語
  • 海外講演会(conference)、英語

似た内容の投稿にも関わらず、国内と海外で査読者の反応がだいぶ異なったので、ご紹介します。

査読結果

それぞれの査読結果は…

  • 国内雑誌:軽微な修正の後に受理(Accept)
  • 海外講演会:1発で却下(Reject)

国内でAcceptされたのに対して、海外ではRejectでした。
結果だけでなくコメント内容もだいぶ印象が異なったので、以下でそれぞれ書いていきます。

国内雑誌(journal)での査読コメント

  • 手法の説明がわかりやすく書かれている
  • 実験結果で提案手法が良い結果を示している
  • 文書の細かい修正をしてくれたらok

肯定的なコメントがほとんどで、修正の要求も軽微なものばかりで、文書を少し書き変えるだけで済みました。

海外講演会での査読コメント(conference)

  • 新規性がほとんどない
  • ライティングのミスが多すぎる
  • 実験の公平性がない(提案手法が有利すぎる条件)

肯定的なコメントはほぼゼロで、フルボッコでした笑。「新規性がない」=「その研究の意味ない」みたいなものなので、救いようがありません。

国内と海外のレベルの差

上記のように、似た内容の論文にも関わらず、国内と海外で正反対の査読結果でした。2つの査読コメントを読んでみて、正直、海外講演会からのコメントは的確であり、一言も言い返せないと思ってしまいました。

ジャーナルってトップじゃないの?

研究分野によって異なるとは思いますが、雑誌(journal)は、講演会等に比べて査読が厳しく、その分野のトップレベルであるという印象を持っています。
つまり何が言いたいかというと、国内でのトップレベルですら、海外の講演会に大きく差をつけられてしまっているということです。

投稿者の私としては、ジャーナルに論文が通過したことは、ラッキーであり嬉しかったです。しかし、国内と海外の差を痛感したことで、ただ手放しでは喜べないという気持ちにもなりました。

さいごに

この記事では、似たような論文を、国内と海外の2つに投稿してみたところ、国内で通過した論文が海外でフルボッコにされた話を書いてみました。

井の中の蛙のままではいけませんね。


以上です。

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